緊急クリニックレター:麻しん(はしか)について知って欲しい事

2024年3月15日

先日のニュースで伝えられているように大阪府で麻しん(はしか)の感染者が確認された件で、クリニックにも連日多数の問い合わせがあります。

今回、麻しん(はしか)のワクチンと抗体価測定について簡単に解説します。

  • 麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症です
  • 結核、水痘(水ぼうそう)と同じく、空気感染します。感染力は非常に強く、コロナの3倍程度、インフルエンザの10倍程度の感染力を持ちます。
  • 免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。

麻しんはワクチン未接種者や1回接種者を中心に流行が発生しています。2006年より麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)が導入され、同年より2回接種が開始されました。

  • 麻しん感染のポイントは、2回ワクチン接種を行っているかです。母子手帳を確認していただき、麻しん風しんワクチン(MRワクチン)や麻しんワクチンを2回接種していれば、麻しんは感染しないと言っていいです。また、今後、感染しないかを判定する麻しん抗体価を測定する必要ありません。
  • 1回のみしかワクチン接種していない、もしくは接種歴が不明の場合は2回になるように不足分の接種が推奨されています。
  • 自費(4000円程度)の採血検査になりますが、麻しん(はしか)抗体価測定が可能です。EIA法-IgGで16.0倍以上あれば、追加の予防接種は不要と判断します。

現在、麻しんワクチンは供給がストップしており、 麻しん風しんワクチン(MRワクチン)もお子さんの定期接種が優先であり、ストックが 枯渇しています。テレビ等で不安を煽る報道されていますが、 皆さん、どうぞ、冷静な判断や行動をお願いします。

20240315vol3.png

ページトップへ戻る