ニュースレター Vol. 40 「新型コロナウイルス感染症の 状況について」

2020年3月13日

みなさん、こんにちは。今号では新型コロナウイルス感染症の 状況についてアップデートいたします。

令和2年3月6日より新型コロナウイルスに対するPCR検査が 保険適応になりました。ただ、検査を受けたい人が誰でも受けられるわけではありません。咳、熱、倦怠感などの症状が長引いて、かつ医師が必要と判断した場合のみとなります。

その検査の実施は厳格な院内感染防止策が行える医療機関に限られるため、当クリニックを含め多くの診療所・病院は対応できません。

PCR検査というのは、鼻やのどに綿棒を突っ込んで検体を摂取します。鼻や咽頭から新型コロナウイルスの検査をする際、 ガウン、マスク、フェイスシールド、キャップ、手袋をつけて、患者ごとにすべて交換するように指示されています。

メディアでは、早期発見、早期治療のため、PCR検査を積極的に勧める人もいますが、現時点では新型コロナウイルスの治療薬は確立されていません。

PCR検査を対象制限せず、希望者全員に行うと、医療現場は混乱し、外来機能は低下します。また、検査医療機関に人が集中し、医療崩壊を起こす結果となります。実際、韓国やイタリアはそのようになりつつあります。特にイタリアは感染者が中国に次いで2位となり、急激に感染拡大しており、重症患者さんに使用する人工呼吸器が不足しているとの報告もあります。

また、現在、学校閉鎖、渡航制限、イベント中止を行っていますが、これらの処置は感染者数を減らすわけではありません。 感染が速く拡がるのを抑えているのです。下の図に示すようにピークを抑えるのが何よりも大事です。

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  • 薄いピンクのグラフ・・・対策なしの時
  • 濃いピンクのグラフ・・・対策した時
  • 点線は病院で診れる患者数の限界

社会的な対策をしても総患者数は(2つの曲線の面積)は変わりませんが、医療のキャパシティを超えることなく、流行を乗り切れるとの言う事つまり、医療崩壊を防ぐことが出来ます。

【医療提供体制】

新型コロナウイルスへの感染が疑われる方に、診療体制等の整った医療機関を適切・確実に受診していただくため、帰国者・接触者相談センター及び帰国者・接触者外来を設置しています。 

【クラスター対策】

  • 換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避けてください。
  • イベントを開催する方々は、風通しの悪い空間や、人が至近距離で会話する 環境は、感染リスクが高いことから、その規模の大小にかかわらず、その開催 の必要性について検討するとともに、開催する場合には、風通しの悪い空間をなるべく作らないなど、イベントの実施方法を工夫してください。

今は、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様にお一人お一人の咳エチケットや手洗いなどの実施が非常に重要になっています。マスク、消毒用アルコールの品切れなどもあるとは思いますが、基本的には必要最低限に外出を控えていただき、やむを得ず、外出される場合には細心の注意を払ってくださいますようくれぐれもお願いします。

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