クリニックレターvol.47 「新型コロナウイルス感染症のワクチンについて」

2021年1月11日

今回はいよいよ日本でも接種が開始となる新型コロナウイルス感染症のワクチンについてのお話をします。

新型コロナウイルス感染症のワクチンは、現在国内外で開発が積極的に進められています。海外で開発が進んでいるワクチンを2月下旬までには接種できるように厚生労働省が体制の整備を行っています。ただし、今回は2回接種が原則になります。
全国民が一気に接種できる量の確保が難しいところもあり、下記のように優先順位を考えて接種開始する予定としています。

【最優先の接種対象】

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  • 新型コロナウイルスの患者の対応にあたる医療従事者※
  • 高齢者及び基礎疾患を有する患者さん

※患者さんの搬送に携わる救急隊員などや患者さん と接する保健所職員なども含む

【高齢者に次ぐ接種順位の接種対象】

高齢者が入所する社会福祉施設などで利用者に接するスタッフ

【基礎疾患の定義や妊婦さんへの投与について】

具体的にどのような基礎疾患がある人の優先するかなどはまだ明確な決定はされていません。また、妊婦さんについても安全性が不明瞭な段階ですが、欧米では接種されています。

日本への供給を計画している海外のワクチンではファイザー社、アストラゼネカ社、モデルナ社との協議の状況が厚生労働省のHPで公表されています。

  1. ファイザー社では11月9日、mRNAワクチン「BNT162b」の医療現場における実際の使用を想定して行なう第Ⅲ相試験で90%超の予防効果が確認されたとの中間解析結果を発表しています。
  2. モデルナ社は11月17日に同じくmRNAワクチン「mRNA-1273」の第Ⅲ相試験の中間解析で94.5%の予防効果が示されたと発表しています。
  3. アストラゼネカ社では11月23日にウイルスベクターワクチン「AZD1222」に関する英国とブラジルでの2つの異なる接種計画の中間結果を報告しており、発症者131人に基づく解析で平均70%の発症予防効果が発表しています。

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皆さん、海外で造られた新型コロナワクチンを日本で打つのは何となく心配でしょうか? ただ、世界的にみると既に治験の4万人の上に英95万人+米450万人が接種済みで、毎日30万人以上が接種しています。アジア人の方も多数打たれています。

ワクチンは我々にとって最良の 武器ではありますが、まずは 今まで通り、マスク、手洗い、人と の接触をなるべく避けることを 基本に立ち戻って再度心掛け るようにしてください!!

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