クリニックレターvol.48 特別編 「新型コロナウイルスワクチンの様々な疑問について」

2021年2月 8日

今月末より、いよいよ日本でも一部の医療従事者から新型コロナウイルス感染症ワクチンの予防接種が開始となります。

ただ、 日本でのワクチン接種は、当初の予定よりずれこんでおり、高齢者の方々への接種の開始は早くても4月1日以降になる見通しになっています。前回、接種対象について触れてきましたが、最近安全性やよくあるお問合せについて話題になった事についてフォーカスしてみました。


今回、文章が多いため、興味のある箇所のみ抜粋してお読みいただければと思います。

【どんなワクチンなの?】

一般的なワクチンは弱毒化したウイルスを注射しますが、今回のファイザーやモデルナが開発したmRNA(メッセンジャー・アール・エヌ・エー)ワクチンはウイルスを作るための遺伝子(ウイルスを作る設計図の一部)を打つ新しいワクチンになります。このワクチンを打っても新型コロナウイルスには感染しません。


【ワクチンは打ったほうがいいのか?】

ファイザーやモデルナのワクチンは、94-95%の発症予防効果が示されており、また、重症化を防ぐ効果も示されています。
よって、非常に有効性が高いワクチンであることは事実です。
ただ、発症は極めて少ないですが、避けがたい副反応が出ることもあります。メリット、デメリットを考慮したうえで、個人で判断していただく必要はあります。


【現在輸入予定の製薬会社のワクチンに違いはあるのか?】

いずれのワクチンも有効性や安全性は、承認まで慎重に審査を行っています。どの製薬会社のワクチンも一定以上の効果があるとされています。なお、どのワクチンを接種するかは選ぶ事はできません。


【効果はいつまで持続するのか?】

現在では、2回接種すると最低でも3か月は有効であると言われています。開発されてから最速で承認へと進んでいるため、有効期間については今後更なるデータが出てくる予定です。


【どんな副反応はあるのか?】

注射部位の痛み、だるさ、頭痛、寒気などが比較的多くみられ、1回目の接種より2回目の接種の方が多いと報告されています。また、頻度は極めてまれですが「アナフィラキシー」という全身性、複数の臓器に対する過敏なアレルギー反応があります※。よく「アナフィラキシーショック」という言葉も出てきますが、上記の症状に急激な血圧低下や意識障害が起こることを指します。

※:全身にじんましんが出て呼吸が苦しくなったときや皮ふがかゆくなって同時に何度も吐いているときなどの反応が参考例です。


【急いで作ったワクチンは危険ではないのか?】

新型コロナウイルスだけにではなく、世界中で感染症対策のためのワクチン開発は常に行われていました。対コロナウイルスとしての臨床試験を迅速に行ったという事はありますが、けして厳格な試験を怠って承認されているわけではありません。

【筋肉注射と皮下注射について】

新型コロナウイルスワクチンはテレビなどでご覧になられた様に皮膚に垂直に近い角度で刺す「筋肉注射」です。インフルエンザワクチンは「皮下注射」で行われます。1970年頃に、不適切な筋肉注射のせいで「大腿四頭筋拘縮症」という副作用が多く起こったことがあり、ご心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、現在のワクチンの筋肉注射ではそのような副作用は起こりません。

~にしおかクリニックからのメッセージ~

新型コロナウイルスワクチンに対して様々なご不安はあるかもしれません。実際、接種する時に"もし自分に副反応が起こったらどうしよう"と考えるのは至極当然です。

ただ、新型コロナウイルスに罹患した時のリスク、また罹患した後の長期的な予後についても不明な点は非常に多いです。

ワクチンには「集団免疫」という言葉があります。人口の一定割合以上が免疫を持つと、感染症が他の人にも流行し難くなるというものです。よって出来る限りワクチンを打ってもらった方が社会全体が守られやすくなると考えられています

私の個人的な見解ですが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)を終わらせるのは、ワクチン接種しかないとも思っています。

ぜひ、皆様もかかりつけ医の先生とよくご相談いただいて、接種の懸念を解決できるようにしていただければ幸いです。

img_vol48.png