クリニックレターvol.54 特別編 「コロナ第5波に備えて」

2021年7月 1日

緊急事態宣言が先日解除されましたが、皆さま継続してコロナウイルスへの対策はお願いいたします。いよいよ各地でも高齢者以外の方々へのワクチン接種も開始されます。内閣官房のサイトでは、ワクチン接種を推し進めつつ、改めてクラスター分析で得られた知見から、感染リスクが高まる「5つの場面」が新型コロナウイルス感染症対策分科会により提言としてまとめて公開しています。

下図をクリックしてください。

5scenes.png

感染リスクが高まる「5つの場面」

  1. 飲酒を伴う懇親会等
  2. 大人数や長時間におよぶ飲食
  3. マスクなしでの会話
  4. 狭い空間での共同生活
  5. 居場所の切り替わり

 ※休憩室、喫煙所、更衣室での感染が疑われる事例などが確認されています

上記については、今まで当院でもご紹介してきた注意事項ではありますが、手洗いうがいの徹底、真夏日も近くなりますが換気を心がけ3密の回避と不要不急の外出を再度お願いいたします。皆さまの行動が感染の「第5波」を防ぐ原動力になります。

また、最近ではワクチン接種が本格的に始まっている中でSNSやネットによるデマ情報の拡散も社会的問題になっています。先日も、河野太郎行政改革担当相(ワクチン担当相)がブログ内で「デマが何故起こるのか実際はどうなのか?」について科学的な根拠を持ってご紹介をしています(6月24日)

https://www.taro.org/category/blog

コロナウイルス、ワクチン系については様々な情報が行き来しています。 誤情報を正としないよう、公式的なチャネル(厚労省、WHO等)の情報を元に1つのチャネルからだけで判断せず、クロス解析(色々見て考える)意識を持っていきましょう。
下記がワクチンデマに対する上記ブログ内の要約になります。

  1. 「ワクチン接種された実験用のネズミが2年で全て死んだ」
    Answer:実験用のネズミの寿命がそもそも2年程度ですから、ワクチンを接種した人間が100年で全て死んだといっているのに等しいことになります

  2. 「ワクチン接種により不妊が起きる」
    Answer:今回のコロナワクチンでも、不妊が起きるという科学的な根拠は全くありません。アメリカで行われた3958人の妊婦を対象とした研究で、流産や早産、先天奇形が起こりやすいということがないことも確認されています

  3. 「卵巣にコロナワクチンの成分が大量に蓄積する」
    Answer:単にごく微量が卵巣に一時的に分布したということであり、蓄積というのは明らかな誤りです。マウスでの投与実験でも卵巣への蓄積は体内の臓器の中でも非常に少ない事が示されており、最大48時間ピークであることが判明しています。

  4. 「ワクチン接種で遺伝子が組み換えられる」
    Answer:mRNAワクチンは細胞の核に入ることができません。ヒトの遺伝情報はDNAの形で核の中に保存されるため、組み替えられることは想定されません。

  5. 「治験が終わっていないので安全性が確認されていない」
    Answer:mRNAワクチンは、基礎研究、動物実験、治験が省略されることなく実施され、リスクを上回る臨床的に意味のある有効性が確認されています。その上で、いつまで効果が持続するかという長期の有効性を確認するための治験が継続して行われています

  6. 「長期的な安全性がわからない」
    Answer:コロナに感染しても長期的な合併症はわかりません。麻疹(はしか)では4-8年後の潜伏期を経て、重篤な合併症として亜急性硬化性全脳炎が知られています。mRNAワクチンでもアナフィラキシー発生が言われていますが、それは投与2日以内と言われています。また、既存のワクチンでも副作用は、ほとんどの副反応が6-8週間以内に起きることが知られています

  7. 「ADE(抗体依存性増強現象)が起きる」
    Answer:ワクチンや過去の感染により作られる抗体が、ウイルスの感染を増強してしまうことをADEといいます。ファイザー社とモデルナ社のmRNAワクチンでは、高い中和作用がある抗体とバランスのよいリンパ球の動きが確認され、動物実験でもADEは観察されず、大規模な治験においてもADEの報告はないことから、新型コロナワクチンに関して、ADEの可能性は考えにくいとされています

ワクチン接種の情報については、日米の専門家によるプロジェクト「こびナビ」でも常に動画で最新の情報をリリースされています。