クリニックレターvol.68 「オミクロン株対応ワクチンの接種について」

2022年9月 8日

国内での1日の新規感染者数が26万人を超えた新型コロナウイルスの『第7波』の勢いも少しずつ収まってきました。ここ数日の話題として、オミクロン株に対応した新しいワクチン接種の話題も出てくるようになりました。

今回のニュースレターは、オミクロン株(BA.1)対応ワクチンについて、現行で分かっている誰がいつ頃接種できるのか?』などについて記載させていただきます。

日本国内での既存の新型コロナウイルスワクチンの接種率について

まずは国内でのワクチンの接種率について触れてみたいと思います。全体で9月6日時点では2回目までの接種率は8割を超えているものの、3回目のワクチン接種については64.9%(高齢者は3回目も9割超え)している状況です。

vol68_img1.png参考:首相官邸HPより

オミクロン株(BA.1)対応ワクチンとは?

新しいワクチンは、現在使用されているモデルナ社とファイザー社が開発しました。従来株(流行初期のウイルス)に由来する成分とオミクロン株のひとつである「BA.1」の2種類を組み合わせた「2価ワクチン」と呼ばれています。今回、日本で導入を決めたのは「BA.1対応型」と呼ばれているものになります。

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今までのワクチンと何が違うのか?

従来のワクチンでもオミクロン株を含むすべての新型コロナウイルスに対して高い重症化予防効果があります。しかし、オミクロン株は従来株から大きく変異を繰り返しており感染力なども強力になっています。それに対応するために従来株とオミクロン株の両方の蛋白の設計図を持っている、オミクロン株にもしっかりと中和抗体を産生できることが期待されるワクチンになります。

いつから接種できるのか?

9月19日以降におよそ3000万回分を全国の自治体に配送することがわかっていますが詳細はまだ不明です。東大阪市での接種予開始時期も現在、未定です。

2回目までの接種を終えた12歳以上が対象で、まずは重症化リスクが高い人などから接種を始める方針です

※基礎疾患がある人・60歳以上の人や医療従事者から優先的に接種になる予定です。

オミクロン株対応ワクチンを打つまで待つべきか?

今できることで最善を尽くすという意味で、現行のワクチンで3回目、4回目の接種を受けることができるときにしていただく方が良いと思います。ワクチンの効果は約半年程度で減弱するため、免疫が低下している状態の期間を少しでも短くしましょう。

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インフルエンザのワクチン接種はどうする?

厚生労働省では10月以後、希望者には新型コロナウイルスと季節性インフルエンザのワクチンの同時接種が可能であると発表がありました。ただし、これも免疫が低下している状態の期間は短くできるように早めにコロナウイルスのワクチンを接種できるのであれば早めの接種をお願いしたいです。

第7波の流行は少し減少傾向にあるものの、感染の波が止まることはまだまだ不明です。引き続き、感染対策の継続をお願いします。

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