クリニックレターvol.87 「カンピロバクター腸炎・食中毒について」

2024年3月 5日

皆さん、鶏肉のタタキや刺身などはお好きですか?鳥のレバーも焼き過ぎず、半生が美味しいかもしれません。ただ、鶏の肉はしっかり中まで焼いて、生肉や半焼けの肉は食べないでください!! 理由は、カンピロバクター腸炎・食中毒の危険性があるからです。今回のテーマは、食中毒の原因として有名なカンピロバクターについてです。

カンピロバクターとは

カンピロバクターという細菌で特には高い確率で保有しており、流通鶏肉の60%以上がこの菌で汚染されているとの報告があります。

大阪府ではこの菌による食中毒の発生件数が最も多く、おおむね全体の半数以上を占めているとの事です。

  • 100個程度の少量の菌を摂取するだけで発症します。
  • 低温に強く、4℃以下でも、長期間生きています。
  • 熱に弱く、肉の中心部を75℃以上、1分間以上加熱すると死滅します。

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らせん状の細菌であるカンピロバクター

カンピロバクター腸炎・食中毒の症状

食べてすぐに症状が出ることはなく、食べてから1日から7日間の潜伏期間の後、下痢、腹痛、発熱などの症状を引き起こします。

特に、注意しないといけないのは、感染して数週間後に急激に進行する手足の麻痺、しびれ、筋力低下などを起こす『ギランバレー症候群』を発症する可能性があるという事です。

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カンピロバクター腸炎・食中毒の治療

基本は整腸剤や制吐剤などの対症療法となります。脱水にならないように水分、塩分を補給していれば、症状は数日で治まり、長くとも1週間程度で治癒します。状態に応じて抗生剤を投与するケースもあります。

カンピロバクター腸炎・食中毒の予防策

肉はよく加熱してから食べる事です。また、生肉を扱う調理器具と調理後の料理を扱う器具を区別するなどがあります。

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鶏レバーも中まで火が通ってなかったら要注意!! 鶏肉の刺身やタタキは危険です。

よく早朝に処理された新鮮な鶏肉(朝びき鶏)だから食べても大丈夫という意見がありますが、新鮮な肉ほどカンピロバクターが多いと言われています。勿論、ダメです。

生で食べたらあかんピロバクターと覚えてくださいね!! (大阪府ホームページより)

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