クリニックレター
2025.01.06
クリニックレターvol.104 「大流行しているインフルエンザについて」
新年あけましておめでとうございます。本年も皆さまの健康をサポートできるよう努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
1月になり、さらに寒さが一段と厳しくなってきました。それに伴い、風邪やインフルエンザが流行する時期となっています。当クリニックでも昨年12月から急に発熱患者さんが激増し、新型コロナウイルス感染症の患者さんもおられますが、特にインフルエンザ患者さんが圧倒的に増えています。
このクリニックレターでは、今シーズンにおけるインフルエンザの大流行の原因や症状、そして感染対策について、できるだけ分かりやすくご説明します。
なぜ今、インフルエンザが大流行しているのか
今季のインフルエンザ大流行の背景として、以下の要因が考えられます。
免疫低下
新型コロナ対策で感染が抑えられていたため、インフルエンザに対する免疫を持つ人が減少しています。
強いウイルス株の流行
2009年に大流行した新型インフルエンザA(H1N1)ウイルスである「pdm09型」が再び猛烈を振るっています。感染力が非常に強く、免疫を持つ人が少ないことが原因となっています。
気温変動と環境
急な気温の下降や冬の乾燥、年末年始の人の移動や集まりが感染拡大を助長しています。
マスク着用の減少
日常生活におけるマスクの着用が減少したことにより、インフルエンザの感染率が増大した可能性があります。
インフルエンザの主要な症状
発熱
38°C以上の高熱が突然現れます。これは最も特徴的な症状で、81.3%の患者に見られるとの報告があります。
咳
75%の患者に咳が見られるとの報告があります。時に夜も眠れないほど激しいことがあります。
鼻水
68.8%の患者に見られるとの報告があります。初めはサラサラした鼻水から次第に粘っこくなります。
のどの痛み
59.4%の患者に見られるとの報告があります。多くの場合は違和感として表現されます。
頭痛
51.2%の患者に見られるとの報告があります。ガンガンする痛みを訴えることが多いです。
全身倦怠感
強い全身のだるさや疲労感が現れます。
筋肉痛・関節痛
12.5%の患者に見られるとの報告があります。体の節々や太い筋肉に痛みが出ることがあります。
消化器症状
12.5%の患者に見られるとの報告があります。下痢や吐き気、胃もたれ感などがあります。これらの症状は比較的急速に同時に現れるのが特徴です。
また、子どもの場合は、下痢や吐き気などの消化器症状や、咳やのどの痛みなどの呼吸器症状がよく見られます。
インフルエンザの感染経路
インフルエンザは、主に以下の経路で感染します。
飛沫感染
感染者の咳やくしゃみによって飛び散るウイルスを含んだ小さな飛沫を吸い込むことで感染します。
接触感染
ウイルスが付着した手や物(ドアノブや机など)を介して感染します。その手で顔や口、鼻を触ることで体内にウイルスが侵入します。
インフルエンザの感染対策
マスクの着用
外出時や人が集まる場所ではマスクを着用し、飛沫感染を防ぎましょう。
手洗いの徹底
外出先から帰宅した際や食事の前後、咳やくしゃみをした後には、石鹸を使って20秒以上かけてしっかり手を洗いましょう。
アルコール消毒の活用
手洗いが難しい場合は、アルコール消毒液を使うことも効果的です。
部屋の換気
部屋の空気を定期的に入れ替えることで、ウイルスが室内に滞留するのを防ぎます。
適切な栄養と休養
バランスの良い食事や十分な睡眠を取ることで、免疫力を高めましょう。
予防接種の検討
インフルエンザワクチンを接種することで、重症化を防ぐ効果が期待されます。
最後に
寒い季節が続きますが、体調に十分お気をつけてお過ごしください。インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、マイコプラズマ感染症など、さまざまな感染症が流行しています。これらを防ぐためには、基本的な感染対策の徹底と早めの受診が重要です。
当クリニックでは、これらの感染症に関する診療やご相談を受け付けておりますので、少しでも体調に不安を感じたら、どうぞお気軽にご来院ください。本年も皆さまの健康を守るために全力を尽くしてまいります。どうぞよろしくお願いいたします。