クリニックレター
2025.06.03
クリニックレター特別編:EXPO 2025 大阪・関西万博を健康に楽しむために ― 梅雨〜初夏版(第1弾)―
皆さん、こんにちは。2025年4月に開幕した 大阪・関西万博(EXPO 2025)は、いよいよ梅雨〜初夏のシーズンに入ります。夢洲(ゆめしま)会場では、連日多くの来場者で賑わっており、会場までの移動・パビリオン待機・炎天下の歩行と、体にかかる負担は想像以上です。
今号では、「行く前」「現地で」「帰宅後」の3段階で、皆さんが安全に万博を楽しむための健康対策をわかりやすくお伝えします。
会場に着くまでが一番つらい?―「夢洲駅→東ゲート」は想定外の長丁場
- 万博の最寄り駅である大阪メトロ中央線「夢洲駅(ゆめしまえき)」から会場の東ゲート通過まで、土日祝の朝9時〜11時頃は 最大60〜90分程度かかることもあります。
- 駅改札 → 入場列(整理券提示) → セキュリティチェック → ゲート入場まで、長時間立ちっぱなしになるケースも。
- 西ゲートからの入場は自家用車の乗り入れが出来ず、主にシャトルバスでのアクセスになります。完全予約制のため、事前予約が必要となります。
- 金銭的な余裕があれば、タクシーで西ゲートから来場する選択もあります。
対策ポイント
- 朝食は必ず食べてから出発(血糖対策)
- 日傘 or つば付き帽子、ポータブル扇風機、冷却タオルなどで暑熱対策
- 整理券アプリ登録やアクセス経路の事前確認をして、早朝の到着を避ける
- 土日祝の朝など、東ゲートからの入場で長時間待つのが嫌なら、西ゲートからシャトルバスを利用して入場を選択するのも一つ。ただし、シャトルバスの予約など、事前準備が必要です。
会場内の移動距離・歩数は想像以上!
- 会場内のパビリオン同士の距離は最大 600〜800m 程度、1日で1万〜1.5万歩(6〜8km)は普通で、丸1日滞在すれば、2万から2.5万歩歩く事も珍しくありません。
- 人気パビリオン(日本館・イタリア館・フランス館など)での待機列が平日で120分超となるケースもあり、土日祝などでは180分から240分待ちとなる場合があります。
パビリオン待機中の工夫
- アプリで事前予約(2か月前抽選、7日前抽選など)
- 折りたたみ座布団・簡易腰かけ・クッションがあると便利
- 冷たい飲料(経口補水液/スポーツドリンク)を500〜1,000mL以上携行
食べ物・飲み物の取り扱いにも注意
- 屋外の気温が25〜30℃になると、購入した飲食物の持ち歩きもリスクに。
- 人気フード購入後、長時間持ち歩いたりすると、黄色ブドウ球菌などの毒素型食中毒の可能性が高まります。
- 給水所などもあるが、やはり混雑しており、事前に準備を‼
予防のコツ
- 買ったらすぐ食べる!(2時間以内が目安)
- 手洗い・アルコール消毒を徹底。
- お弁当は保冷バッグ+保冷剤+衛生手袋付きが安心。
足・膝・腰のトラブル予防
- 地面はアスファルト・硬めの舗装。長時間の立位や歩行で足底筋膜炎や膝痛が出るケースも。
- 高齢の方や糖尿病の方は「足のマメ → 感染症」のリスクあり。
履き物・対策
- 靴は 履き慣れたスニーカー・ウォーキングシューズ一択!
- 着圧ソックスや中敷き(インソール)を使って負担軽減
- 休憩ベンチでの「足首回し」を30分に一度実施
帰宅後の健康セルフチェック
体重減少
朝より1kg以上の減少は脱水のサイン
尿量
半日以上尿が出ていない=要注意
熱・胃腸症状
37.5℃以上の発熱、嘔吐・下痢があれば早めに受診
最後に
EXPO2025 は、「いのち輝く未来社会のデザイン」がテーマの国際イベントです。まさに命と健康を大切にしながら楽しむことが、この万博の意義とも重なります。
また、行列で有名パビリオンに入れなくでも、1週約2kmの巨大な木造建築物である『大屋根リング』を歩くだけでも行く価値はあると思われます。梅雨の蒸し暑さに負けず、ぜひ自分の体調と向き合いながら、安全・快適に会場を楽しんでください。万博後に体調管理に不安がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
第2弾(9月号予定)は「万博後半期/秋の感染症・気温差対策版」を予定しております。