クリニックレターvol.121 「夏の寝苦しさを解消!快眠のための医学的アプローチ」

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2025.08.18

クリニックレターvol.121 「夏の寝苦しさを解消!快眠のための医学的アプローチ」

皆さん、こんにちは。連日の猛暑で「夜、なかなか寝つけなくて・・・」「家族が夜中に何度も起きているみたい」といったご相談が増えています。

お盆休みで家族が集まる機会も多いこの時期、「最近よく眠れている?」「子どもが寝苦しそうで心配」なんて会話も耳にすることがあるかもしれません。夏の睡眠トラブルは「暑いから仕方ない」と諦めがちですが、実は健康に大きく影響する問題です。今回は、家族みんなでできる「夏の快眠対策」についてお伝えします。

夏の睡眠不足が体に与える影響とは?

厚生労働省の健康づくりのための睡眠指針でも、高温多湿環境が睡眠の質に大きく影響することが示されています。「ちょっと眠れないだけでは」と軽く考えがちですが、継続的な睡眠不足は以下のような健康リスクを高めてしまいます。

①体への影響

  • 免疫力の低下→風邪をひきやすくなる。
  • 食欲調節ホルモン(レプチン・グレリン)の乱れ→食べ過ぎや肥満のリスク
  • 血圧や血糖値の変動→生活習慣病の悪化

②心への影響

  • 自律神経の乱れ→イライラや疲労感が続く。
  • 集中力・判断力の低下→仕事や勉強に支障
  • うつ症状のリスク増加

※特に高齢者や小さなお子さんは、睡眠不足の影響を受けやすいので要注意です。

なぜ夏は眠りにくいの?3つの原因

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厚生労働省睡眠指針等を参考に作図

①体温が下がりにくい

私たちは眠りに入るとき、深部体温が1〜2℃下がることで自然な眠気が促されます。ところが高温多湿の夏は、この体温調節がうまくいかず「布団に入っても目が冴えてしまう」という状態になってしまいがちです。

②知らないうちに脱水状態

夏場は1日に2〜3リットルもの水分が失われています。「のどが渇いた」と感じる前に、すでに軽い脱水状態になっていることもあるのです。血流や体温調節に支障をきたし、夜中に目が覚める原因にもなります。

③自律神経のバランスが崩れる

暑い屋外と冷房の効いた室内の急激な温度差、エアコンの冷えすぎなどで、交感神経(活動モード)と副交感神経(リラックスモード)のバランスが乱れがちになります。これにより入眠困難や中途覚醒につながります。

家族みんなでできる夏の快眠対策

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諸説言われてはいますが、エアコンは「つけっぱなし」が正解と言われています。「電気代がもったいない」「体に悪そう」とエアコンを切ってしまう方もいらっしゃいますが、実は熱中症のリスクの方が高くなってしまいます。日本睡眠学会では、快眠のための環境条件として以下を推奨しています。

  • 室温26〜28℃、湿度40〜60%をキープ
  • 就寝1時間前から26℃で部屋を冷やしておく。
  • 就寝時は27〜28℃設定でつけっぱなしにする。
  • 扇風機は体に直接当てず、壁に向けて空気を循環させる。
  • 光で体内時計を整える。
  • メラトニンという睡眠ホルモンの分泌リズムを整えることも重要と言われています。

  • 朝:起床後30分以内にしっかり朝日を浴びる。
  • 夜:就寝2時間前から間接照明に切り替える。
  • 寝る前:スマホやテレビは1時間前までに。ブルーライトが睡眠を妨げます。

お風呂で自然な眠気を引き出す。「暑いからシャワーだけ」という方も多いと思いますが、ぬるめのお風呂に入ることで、眠気を誘う体温変化が得られます。

  • お湯の温度は38〜40℃
  • 10〜15分程度、ゆっくりと
  • 就寝の1〜2時間前がベストタイミング

水分補給はタイミングが大事

  • 就寝2時間前までにコップ2杯(400ml)の水分をとる。
  • 寝る直前はコップ半分(100ml)程度に調整→夜中のトイレを防げます。
  • カフェインやアルコールは寝る4時間前までに接種するようにしましょう。

その他の工夫

  • 寝具:麻や綿など吸湿・放湿性に優れた天然素材を選びましょう。
  • パジャマ:締めつけのない、風通しの良い素材で過ごしましょう。
  • 昼寝:15〜20分以内、午後3時前までが理想です。
  • 夕食:就寝3時間前までに軽めに済ませるようにしましょう。

こんなときは専門医にご相談を

以下のような症状が2週間以上続く場合は、睡眠障害の可能性も考えられます:

  1. あらゆる工夫をしても入眠に30分以上かかる
  2. 日中の強い眠気で仕事や勉強に支障が出る
  3. 激しいいびきや10秒以上の無呼吸がある
  4. 夜中に3回以上目が覚めて、再び眠れない
  5. 朝起きても疲れが全く取れていない

※特に高齢の方は、睡眠時無呼吸症候群や他の病気が隠れていることもあります。「もう年だから仕方ない」と諦めず、お気軽にご相談ください。

最後に

東大阪市でも、熱中症予防とともに「夏の健康的な睡眠」について啓発活動が行われています。

当クリニックでも、睡眠に関するお悩みや生活習慣のアドバイスを通じて、皆さんの健康をサポートしています。夏の睡眠トラブルは「気合いで乗り切る」ものではありません。正しい知識と家族みんなでできる工夫で、眠りの質は確実に改善できます。「最近よく眠れない」「家族の睡眠が心配」という方は、どうぞお気軽にご相談ください。質の高い睡眠で、暑い夏を元気に乗り切りましょう!

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