クリニックレターvol.125 「秋は肌が危険信号?乾燥肌と脂漏性皮膚炎の予防ポイント」

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2025.10.17

クリニックレターvol.125 「秋は肌が危険信号?乾燥肌と脂漏性皮膚炎の予防ポイント」

目次

はじめに

この10月は「肌トラブルが急に増えるサイン」が出やすい時期です。近年の医療関連調査や生活者アンケートでも、脂漏性皮膚炎の患者さんの約6割が「秋から冬に症状が悪化する」と回答し、乾燥肌では高齢者の8割が「秋冬に強い乾燥を感じる」と答えています。

社会人全体の調査でも、秋の肌トラブルの第一位は「乾燥」とされており、肌のバリア機能が揺らぎやすい時期であることが裏付けられています。

このように、秋は肌の不調が表れやすい季節です。「肌がカサカサしてかゆい」「フケが増えた気がする」と感じる方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、秋に増える乾燥肌や脂漏性皮膚炎について、豆知識形式でわかりやすく解説します。

秋はなぜ肌が乾燥するの?

秋から冬にかけては気温が下がり、空気も乾燥するため、汗や皮脂の分泌量が減り、肌の水分が奪われやすくなります。こうした環境の変化により肌は誰でもカサつきがちですが、特に年齢を重ねた肌では皮膚の保湿成分や皮脂が減少し、秋冬の乾燥で一層カサつきを感じやすくなります。

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乾燥肌を放置するとどうなる?

乾燥した肌をそのままにしていると、肌表面のバリア機能が低下してしまいます。バリアが弱まった肌は外部刺激に敏感になり、かゆみを感じやすくなり、赤いブツブツとした湿疹(乾燥性皮膚炎)を起こしやすくなります。実際、皮膚がカサカサで痒い状態を掻き壊してしまい、湿疹に発展するケースは珍しくありません。早めのケアが大切になります。

脂漏性皮膚炎ってどんな病気?

脂漏性皮膚炎(しろうせいひふえん)とは、頭皮の生え際や顔の鼻まわりなど皮脂分泌の多い部分に、フケのような白い皮膚のはがれを伴う赤い炎症が生じる皮膚の病気です。かゆみを伴うこともあり、治療してもしばしば繰り返し再発するのが特徴です。乳幼児から高齢者まで見られるありふれた疾患で、大人の脂漏性皮膚炎は慢性的に良くなったり悪くなったりを繰り返します。

秋に悪化しやすい脂漏性皮膚炎

季節の変わり目には脂漏性皮膚炎の症状が悪化しやすいことが知られています。特に空気が乾燥する秋から冬にかけては、脂漏性皮膚炎で受診する患者さんが増える傾向があります。

肌が乾燥すると体は不足する潤いを補おうとして皮脂を余分に分泌します。その結果、皮脂を栄養とする皮膚にいつもいるカビの一種(マラセチア菌)が増殖しやすくなり、炎症がぶり返してしまうのです。こうした季節要因に加え、日頃のストレスや睡眠不足も症状悪化の誘因となるため注意が必要です。

肌トラブルを防ぐ日常ケアのポイント

保湿ケア

乾燥肌対策の基本は保湿です。入浴後や洗顔後はできるだけ早く保湿剤(ローションやクリーム)を塗り、肌の潤いを閉じ込めましょう。特に乾燥が気になる部分は朝晩ていねいに保湿してください。

洗い方に注意

洗顔やシャンプーは低刺激の洗浄剤を使い、顔は1日1〜2回、頭皮も洗いすぎない程度(1日1回が目安)にとどめます。ゴシゴシと強く擦る洗い方は避け、ナイロンタオルでなく手や柔らかいタオルで優しく洗いましょう。熱いお湯や長風呂も皮脂を奪いすぎるため控えてください。

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生活環境の工夫

空調による乾燥対策も重要です。秋冬は加湿器を使う、部屋に濡れタオルを干すなどして室内の適度な湿度(50〜60%程度)に保ちましょう。

生活リズムと食事

睡眠不足や偏った食生活はお肌の大敵です。規則正しい生活とバランスの良い食事を心がけましょう。栄養を十分に摂ることで皮膚の代謝が整い、肌トラブルの予防につながります。

最後に

このようなケアを行っても「かゆみで日常生活がつらい」「赤みやフケが良くならない」場合は、無理に我慢せず早めにご相談ください。症状に応じて保湿剤や抗炎症薬などの外用薬を使った治療で改善が期待できます。必要に応じて、専門的な医療機関へのご紹介も行っていますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。

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