クリニックレター
2025.11.17
クリニックレターvol.127 「11月1日 いい医療の日」 -- かかりつけ医とつながる安心を
はじめに
11月1日は「いい医療の日」と日本医師会では定めています。病気になる前の「ちょっと気になる不調」の段階で相談できる、そんな"かかりつけ医"との関係が、健康寿命を伸ばすカギになるかもしれません。東大阪市では、65歳以上の高齢者が13万人を超え、全体の約28%を占めています(2025年6月現在)。高齢化が進むいまこそ、地域の医療機関とのつながりが、いざというときの支えになります。
今回は、高齢者に多い「気づきにくいけれど、実は早期の対応が大切な病気」を取り上げます。
認知症
「なんだか最近、物忘れが増えた気がする」
そんな日常のつぶやきが、実は認知症の最初のサインかもしれません。 認知症は「急に進む」というより、数年かけて少しずつ始まる病気です。
もの忘れ、段取りの悪さ、慣れた道で迷う。そんな変化にいち早く気づけるのが、普段の診療で顔を合わせている「かかりつけ医」です。
帯状疱疹
痛みや発疹が出てからあわてて受診する方が多い病気のひとつが「帯状疱疹」です。
実は2025年度から、65歳以上の方を対象に、帯状疱疹ワクチンの定期接種が始まりました。ワクチンは、かかりつけ医で受けることができます。
「昔、水ぼうそうにかかったことがある」「最近ストレスが多い」そんな方は、ぜひ一度、予防接種の相談をしてみてください。
サルコペニア
サルコペニアとは、筋肉量が落ちて足腰が弱くなる状態のこと。
「転びやすくなった」「布団から起き上がるのが大変」などのサインは、見過ごされがちですが、実は重要な兆候です。
診断には筋力測定や歩行スピードなどの評価が必要です。健康診断の項目にはないため、相談先として「かかりつけ医」がとても重要です。
骨粗鬆症
転倒や骨折がきっかけで、そのまま寝たきりになる高齢者も少なくありません。
骨粗鬆症は自覚症状が少ない分、放置されやすい病気です。
骨密度検査は、地域のクリニックでも可能です。「背が縮んできた」「腰が曲がってきた」と感じたら、一度調べてみましょう。
生活習慣病
高血圧や糖尿病、脂質異常症なども、「ちょっと気になる」で終わらせず、かかりつけ医と定期的に話すことで、重症化を防ぐことができます。
最近では、保険診療でも健康診断の結果をもとに生活指導ができるようになっています。
おわりに
小さな気になる症状でも、ひとりで悩まず、早めに相談してみませんか?
「いい医療」とは、困ってから受ける治療ではなく、「困らないように続ける関係づくり」でもあります。
11月1日は、日本医師会が「いい(11)医(1)療の日」として2017年に制定した記念日です。これは、より良い医療のあり方について、国民と医師が共に考え、国民医療の向上を目指すことを目的としています。
この日をきっかけに、ご自身やご家族の健康について、少し立ち止まって考えてみませんか。
かかりつけ医とは、健康に関することを何でも相談でき、必要に応じて専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼れる医師です。健診や診察の機会に、直接話をして「ご自身に合った医師」を見つけることが、上手に医療を受ける第一歩です。
当院も、皆さまの「かかりつけ医」として、安心と健康を支える存在であり続けたいと願っています。

