クリニックレター
2025.12.16
クリニックレターvol.130 「冬のプチ不調、ビタミン足りていますか?」〜「ビタミンの日」に考える、だるさ・冷え・肌あれ対策〜
12月13日は「ビタミンの日」です。1910年12月、東京帝国大学の鈴木梅太郎博士が、お米のぬかから抽出した成分(のちにビタミンB₁と命名)が脚気の予防に有効であることを発表したことに由来します。
近年、「冬型栄養失調」という言葉を耳にする機会が増えました。冬は寒さから身を守るため、夏より約1割多くエネルギーを消費するとされ、いつも通り食べていてもビタミンやミネラルが不足しやすい季節です。
「最近なんとなくだるい」「手足が冷える」「肌がカサつく」そんな「プチ不調」の背景には、栄養バランスの乱れが潜んでいることもあります。
今回は「ビタミンの日」をきっかけに、冬に多い3つの不調とビタミンの関係、そして日々の食事でできる工夫についてご紹介します。
冬の三大不調とビタミン
① だるさ・疲れやすさ
冬は、うどん・ラーメン・丼もの・パンなど、炭水化物中心の食事に偏りがちです。
ごはんやパンは大切なエネルギー源ですが、それを効率よく燃やすには ビタミンB₁を中心としたビタミンB群が必須です。
不足するとエネルギー変換がうまくいかず、「寝ても疲れがとれない」「頭がぼんやりする」という不調につながることも。
豚肉・豆類・玄米・納豆などを組み合わせ、「主食だけの食事」にならないよう意識してみましょう。
② 冷え
「冷え」は血流の低下と深く関係しており、エネルギーを十分に生み出せないことも一因です。
ビタミンE
血管の健康を保ち末梢血流をサポート(ナッツ類・かぼちゃ・植物油など)
ビタミンD
骨・筋肉の維持だけでなく免疫にも関与。日本では季節を問わず不足しやすく、冬は特にリスクが高いといわれています。
鮭・サンマなどの脂ののった魚、きのこ類を取り入れ、晴れた日は短時間でも日光にあたる習慣を。
③ 肌荒れ・乾燥
冬は暖房による乾燥、寒さによる血流低下が重なり、肌荒れが起こりやすくなります。
皮膚や粘膜の健康を保つには、ビタミンA・B₂・B₆ が重要です。ビタミンAはレバー・卵・緑黄色野菜に多く含まれます。最近の「冬型栄養失調」の健康食品会社による調査では、特に20代で野菜摂取量が大幅に不足しているとの報告もあります。野菜不足は、ビタミンだけでなく食物繊維や抗酸化成分の不足にもつながり、便秘や肌荒れの原因になることがあります。
なぜ冬はビタミン不足になりやすい?
① 日照時間の減少
ビタミンDは日光を浴びることで皮膚で合成されますが、冬は日照時間が短く、外出頻度も減りがちです。医師の多くが「冬季はビタミンD不足のリスクが高まる」と認識しているという報告があります。
② 食生活の変化
温かい料理が増える一方、生野菜や果物の摂取が減りやすく、水溶性ビタミン(ビタミンC・B群)が不足しやすくなります。
また、麺類や鍋の"しめ"など炭水化物の摂取が増え、B群とのバランスが崩れやすい傾向があります。
③ エネルギー消費の増加
冬は体温を保つため、何もしていなくてもエネルギー消費量(基礎代謝)が上昇します。
同じ食事量でも、身体側の必要量が増えるため、相対的に栄養不足に陥りやすくなります。
サプリに頼る前に、まず「食事」で
近年、サプリメントの選択肢が増えていますが、「日本人の食事摂取基準2025年版」でも、基本は "食事から栄養をとること" が推奨されています。
食事のよい点は、
1つの食品から複数の栄養素をまとめてとれること。
たとえば冬のほうれん草は、ビタミンCが夏より多くなるなど、旬の野菜は栄養価が高まります。
魚・卵・豆製品などのタンパク源をそろえることで、ビタミンに加えて筋肉や血液の材料もしっかり補えます。
高齢の方、治療中で食が細い方では、ビタミンDなど特定の栄養素についてサプリ併用が適する場合もあります。
その際は、自己判断で増量せず、医師や薬剤師に相談して飲み合わせや腎機能などを確認するようにしましょう。
おわりに
「冬型栄養失調」は、寒さによりエネルギー消費が増える一方、野菜やタンパク質の不足から生じる"静かな栄養不足"です。
だるさ・冷え・肌荒れなどの小さなサインも、「仕方ない」と片付けず、食事を少し見直すだけで体調が改善することがあります。
ビタミンB群・D・Eは、特別な高級食材でなくても、身近な魚・卵・豆製品・旬の野菜からしっかり補えます。
また、東大阪市では 令和7年1〜2月に「フレ!フレ!教室」(栄養指導を含む)が市内複数会場で開催されます(申込締切12月18日、市HP「市政だより令和7年12月号」参照)。
栄養面を含めた健康づくりの良いきっかけになりますので、ぜひご活用ください。
気になる不調が続くときや、「自分の栄養状態が心配」という場合は、どうぞお気軽ににしおかクリニックへご相談ください。

