クリニックレター
2026.03.16
クリニックレター vol.136 「孫との時間は脳にうれしい刺激?」〜最新研究が示す"認知機能"との関係〜
目次
はじめに
「孫が来ると嬉しいけれど、帰るとホッとするよ」診察室でそんなふうに笑いながら話される患者さんは少なくありません。元気いっぱいのお孫さんと過ごす時間は、楽しい反面、体力も使います。
しかし近年、その「にぎやかな時間」が、脳の健康に良い影響を与える可能性があることが新たな研究で報告されています。
春休みでお孫さんと会う機会が増えるこの時期に、内科の視点から分かりやすくお伝えします。
孫との関わりと認知機能の最新研究
2026年1月に発表された研究(オランダ・ティルブルフ大学など)では、孫の世話をしている高齢者は、していない人と比べて認知機能が良好である傾向が示されました。簡単に言うと、『物忘れなどが少ない人が多かった』という結果です。
特に注目された点は次の通りです。
記憶力や言語能力が良好
孫と関わっている方は、記憶力や言葉がスラスラ出てくる言語能力を測る検査の成績が高い傾向がみられました。
「頻度」よりも「経験」が重要
どれくらい頻繁に会っているかよりも、「孫と関わっているという経験そのもの」に意味がある可能性が示唆されています。
特におばあさんで、物忘れの進み方がゆるやかな人が多い
長期的な観察では、特に祖母側において認知機能低下が抑えられる傾向がみられました。
なぜ脳に良い影響があるのか
孫との時間は、日常とは少し違う刺激にあふれています。
- 会話のやりとり(宿題を一緒に見る、絵本を読む など)
- 予想外の質問(学校や習い事の話を聞く など)
- 一緒に遊ぶ・教える(遊びながら会話をする など)
これらはすべて、脳にとって「知的刺激」や「社会的刺激」となります。
何気ないやり取りが、自然と記憶力・判断力・言語機能を使う機会になっています。
特別なトレーニングをしなくても、「人と関わること」そのものが脳の活性化につながると考えられています。
効果を高める大切なポイント
ただし、ここで大切なのは『自発性(自分から進んでやりたいと思えることかどうか)』です。
義務感や強い負担感の中で無理をして関わる場合、ストレスが強くなり、かえって疲れがたまってしまい、ストレスで体調をくずしてしまうこともあります。
- 自分が楽しめる範囲で
- 無理のない頻度で
- 休息もきちんと取りながら
このバランスが重要です。「楽しい」「嬉しい」という感情が伴う関わりこそが、脳にとって良い刺激になると考えられています。
おわりに
年齢とともに、「最近もの忘れが気になる」「言葉がすぐに出てこない」と感じることは珍しくありません。
生活習慣の改善や持病の管理に加えて、人とのつながりもまた、認知機能を守る大切な要素です。
お孫さんとの時間は、もしかすると「自然な脳のトレーニング」になっているかもしれません。もちろん、孫のいない方でも、人との会話や趣味の会などは同じように脳の刺激になります。
当クリニックでは、簡単なもの忘れのテストや生活習慣に関するご相談も行っております。
気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
これからもにしおかクリニックは皆様の元気に笑い合える毎日をサポートしてまいります。

