クリニックレター
2026.04.02
クリニックレターvol.137: 4月こそ見直したい 家庭血圧 ― 新生活の時期こそ、自分の血圧を知りましょう
皆さま、こんにちは。
4月は、入学、就職、異動などで生活リズムが変わりやすい季節です。起きる時間や食事の時間がずれたり、知らないうちに睡眠不足になったりして、体調を崩しやすくなることがあります。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠は健康づくりの大切な土台であり、生活習慣や睡眠環境の見直しが重要とされています。
そんな新生活の時期に、ぜひ始めていただきたいのが家庭血圧の測定です。
血圧は、病院で測る時だけ高くなることもあれば、反対に病院ではそれほど高くなくても、自宅では高いことがあります。日本高血圧学会のJSH2025では、家庭血圧を重視する姿勢がいっそう明確にされており、日常の血圧を知ることが、よりよい血圧管理につながるとされています。
特に注意したいのが、「仮面高血圧」です。
これは、診察室では血圧が高く見えにくいのに、家庭では高い状態をいいます。見逃されやすい一方で、脳卒中や心臓病のリスクと関係するため、ふだんの血圧を知っておくことが大切です。家庭血圧は、診察室血圧より将来のリスク評価に役立つとされ、学会も重視しています。
家庭血圧はどう測ればよいのでしょうか
家庭血圧を測る時は、上腕で測るタイプの血圧計がおすすめです。
学会の一般向け資料では、朝は起床後1時間以内、排尿後、朝食前・服薬前、夜は就寝前に測ることが勧められています。どちらも、椅子に座って1~2分安静にしてから測り、原則2回測って記録するのが基本です。
どれくらいの数値なら注意が必要?
家庭で測った血圧が135/85mmHg以上であれば、高血圧が疑われます。
一方で、すでに治療中の方では、JSH2025で家庭血圧125/75mmHg未満が原則的な目標として示されています。つまり、135/85mmHg以上は"受診や見直しの目安"、125/75mmHg未満は"治療中の一般的な目標"と考えると分かりやすいと思います。なお、血圧は1日だけで判断せず、5~7日間以上の平均でみることが大切です。
こんな方には特におすすめです
家庭血圧の測定は、特に次のような方におすすめです。
健診で血圧が高めと言われたことがある方、ご家族に高血圧や脳卒中、心臓病の方がいる方、糖尿病や腎臓病などの持病がある方、すでに血圧のお薬を飲んでいる方です。診察室だけでは分からない血圧の変化を知ることで、より適切な治療につながります。
血圧を守るために大切なこと
血圧の管理では、測ることだけでなく、毎日の生活習慣も大切です。
日本高血圧学会は、減塩、肥満の予防や改善、節酒、運動、食事パターンの見直し、禁煙などを生活習慣の柱として挙げています。新生活が始まる4月だからこそ、まずは「朝と夜に血圧を測る習慣」に加えて、塩分を控えめにすること、体重を増やしすぎないことも意識してみましょう。
最後に
高血圧は、症状がなくても少しずつ進行することがある病気です。
だからこそ、普段の血圧を知っておくことが大切です。4月は新しいことを始めるのによい季節です。まずはご自宅で血圧を測ってみて、気になる数値が続くときは、血圧手帳や記録を持ってお気軽にご相談ください。当院でも、皆さまの無理のない血圧管理を一緒に考えてまいります。

