クリニックレター特別編:原油高は医療にも影響する? ― 世界の出来事と、私たちの医療のつながり ―  

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クリニックレター

2026.04.02

クリニックレター特別編:原油高は医療にも影響する? ― 世界の出来事と、私たちの医療のつながり ―  

皆さま、こんにちは。

最近、ニュースで中東情勢やホルムズ海峡という言葉を耳にする機会が増えています。ホルムズ海峡は、世界の原油や液化天然ガス(LNG)の重要な通り道で、2026年3月以降、この地域の緊張の高まりにより、原油やLNGの輸送への影響が続いています。日本でも経済産業省が3月16日に民間備蓄義務量の引き下げと国家備蓄石油の放出を公表し、さらに3月24日には国家備蓄原油の放出を決定するなど、エネルギーの安定供給が大きな課題となっています。

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原油と医療の意外な接点

「原油高」と聞くと、ガソリン代や電気代を思い浮かべる方が多いかもしれません。

しかし実は、医療もまた、こうした世界の動きと無関係ではありません。日本は原油の多くを中東地域に依存しており、資源エネルギー庁は原油の中東依存度が9割を超えると説明しています。エネルギー価格や輸送の変化は、私たちの暮らしだけでなく、医療を支えるさまざまな物資にも影響する可能性があります。

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医療現場を支える「石油由来」の資材たち

医療現場は、薬だけで成り立っているわけではありません。

たとえば、点滴バッグ、輸液チューブ、注射や処置に使う器具、薬を包む包装資材など、多くの医療材料にプラスチックが使われています。PMDA(医薬品医療機器総合機構)の資料でも、点滴バッグ、静脈注射セット、延長チューブなど、幅広い医療用具にポリ塩化ビニル(PVC)などの材料が広く使われていることが示されています。

そのため、原油価格の上昇や物流の混乱が起こると、医療の世界でも原材料費や輸送コストの上昇、石油由来の資材の調達が難しくなることなどの影響が出る場合があります。

もちろん、これはすぐに医療が止まるという意味ではありません。ですが、普段何気なく使われている点滴や医療材料も、安定したエネルギー、輸送、供給のしくみに支えられていることを、あらためて感じさせられます。資源エネルギー庁も、中東情勢を踏まえた対応として、石油だけでなく「石油由来の化学品・製品等」についても情報収集と連携の対象にしています。

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世界のつながりが届ける「いつもの医療」

遠い国の出来事のように見えても、実は私たちの身近な医療につながっています。

診察室で使う点滴や注射、検査や処置に必要な物品も、世界のどこかで作られ、運ばれ、届けられています。医療とは、医師や看護師だけでなく、材料、物流、エネルギーなど、たくさんの支えの上に成り立っているものなのです。

最後に

この話題は、不安をあおるためのものではありません。むしろ、医療が社会全体に支えられていることを知っていただくためのお話です。高血圧、糖尿病、心臓病などの慢性疾患は、自己判断で受診や治療を中断せず、普段どおり続けることが何より大切です。当院でも、これからも地域の皆さまに必要な医療をできるだけ安定して届けられるよう努めてまいります。

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