クリニックレター
2026.05.01
クリニックレターvol.139 : 母の日に見直したいお母さんの"隠れ貧血"
皆さま、こんにちは。
5月には「母の日」があります。お花やプレゼントも素敵ですが、今年はもうひとつ、お母さんの体調を気づかうきっかけにしてみませんか。
最近、
「前より疲れやすそう」
「顔色がすぐれない」
「階段で息が上がっている」
「よく"しんどい"と言っている」
そんな変化はありませんか。
その不調、年齢のせいだけではなく、**"隠れ貧血"**が関係していることがあります。厚生労働省の女性の健康情報でも、貧血は目まいや立ちくらみだけでなく、倦怠感、頭痛、気力の低下、むくみ、爪の変形など、さまざまな不調の原因になると案内されています。
目次
"隠れ貧血"って何ですか?
一般に「隠れ貧血」とは、鉄不足が進んでいるのに、まだはっきりした貧血として気づかれていない状態を指して使われることがある言葉です。
鉄は、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンの材料になります。
そのため鉄が足りなくなると、体のすみずみまで十分に酸素が届きにくくなり、だるさ、疲れやすさ、息切れ、集中しにくさなどにつながることがあります。
ご家族が気づきやすいサイン
お母さんの不調は、ご本人よりもご家族のほうが先に気づくことがあります。たとえば、
- 最近、疲れやすそう
- 顔色が悪い
- 立ちくらみやめまいがある
- 動くと息切れしやすい
- 頭痛が多い
- なんとなく元気がない
- 爪が割れやすい、反り返ってきた
このような変化があるときは、鉄不足や貧血が隠れていることがあります。厚生労働省の女性向け情報でも、頭痛、だるさ、めまい、動悸、息切れ、爪の変化などが、鉄不足に伴ってみられることがあると紹介されています。
なぜ女性は貧血になりやすいの?
特に女性は、月経の影響で鉄が不足しやすいことが知られています。月経のある女性では、鉄が失われやすく、必要量が不足しやすいことが公的情報でも示されています。
一方で、閉経後の女性でも安心とは限りません。
鉄欠乏性貧血の背景に、胃や腸からの出血や別の病気が隠れていることもあるため、「貧血っぽいから鉄を飲めばよい」と自己判断せず、原因を確認することも大切です。
食事で気をつけたいこと
予防や改善のためには、まず毎日の食事が大切です。鉄は、赤身の肉や魚、レバーなどに多く含まれます。小松菜、ほうれん草、大豆製品なども毎日の食事に取り入れやすい食品です。
また、偏った食生活や無理なダイエットは、鉄不足につながりやすくなります。
"貧血だけではない"こともあります
疲れやすさやだるさ、息切れ、むくみなどは、貧血でみられることがあります。
ただし、似たような症状の背景に、甲状腺の不調が隠れていることもあります。 たとえば甲状腺の働きが低下すると、寒がり、便秘、むくみ、眠気、物忘れ、動作がゆっくりするといった症状が出ることがあります。京都医療センターでも、甲状腺ホルモンの異常ではだるい、疲れやすい、足がむくむなどの共通症状があり、ほかの病気と間違われることがあると案内しています。
「貧血かな」と決めつけず、気になる症状が続く場合は一度ご相談ください。
こんなときは受診をおすすめします
- 不調が長く続く
- 動悸や息切れがある
- ふらつきが増えてきた
- 顔色がかなり悪い
- 健診で貧血を指摘された
このような場合は、一度ご相談ください。
貧血にはいろいろな原因があり、鉄不足だけでなく、ほかの病気が隠れていることもあるため、必要に応じて血液検査などで確認することが大切です。
最後に
母の日は、感謝の気持ちを伝える日です。
でも、お母さんにとって本当にうれしいのは、
「最近、ちゃんと休めてる?」
「疲れていない?」
そんなひと言かもしれません。
"なんとなく不調"の中に、治療や食事の見直しで改善できる貧血が隠れていることもあります。
この5月、ご家族のやさしい気づきが、お母さんの健康を守るきっかけになればと思います。

