クリニックレター
2026.05.18
クリニックレター vol.140 5月に増えるニキビ、肌からのサイン?〜汗・紫外線・疲れでゆらぐ肌の整え方〜
目次
はじめに
新年度が始まって1か月ほどたつ5月。「最近、あごや口まわりにニキビが増えた」「思春期の子どもの顔に赤いブツブツが出てきた」そんなご相談が増えやすい時期です。
5月は気温の上昇とともに汗や皮脂が増えやすく、紫外線も強まります。連休明けの疲れや生活リズムの乱れも重なり、心だけでなく肌にも少し疲れが出やすい季節です。
今回は、いわゆる「肌の五月病」とも言いたくなるこの時期の肌トラブルのうち、身近なニキビについてお話しします。ニキビは軽く見えても、炎症やニキビ跡につながることがあります。早めに見直すことで、悪化を防ぎやすくなります。
「肌の五月病」と呼ばれる肌ゆらぎ
「肌の五月病」は正式な病名ではありませんが、5月ごろに肌の調子が不安定になりやすい状態を、わかりやすく表した言葉として使われることがあります。この時期は、肌にとって負担が重なりやすい季節です。
- 新生活や環境変化によるストレス
- 睡眠不足や生活リズムの乱れ
- 気温上昇による汗や皮脂の増加
- 春から強まる紫外線
- 花粉、黄砂、PM2.5などの外的刺激
こうした要因が重なると、肌のバリア機能が乱れやすくなります。その結果、乾燥・かゆみ・赤み・ニキビなどが出やすくなることがあります。
なかでもニキビは、汗や皮脂が増える季節に悪化しやすい身近な肌トラブルです。「そのうち治る」と思っていても、炎症が続くとニキビ跡につながることがあります。
なぜ5月にニキビが増えやすいのか
ニキビは、下図のように毛穴の出口がつまることから始まります。
そこに皮脂がたまり、炎症が加わると、赤いニキビや膿をもったニキビへ進むことがあります。5月にニキビが増えやすい理由は、主に3つあります。
① 汗と皮脂が増えやすい
日中の気温が上がると、汗ばむ日が増えてきます。皮脂分泌も増えやすくなり、毛穴に皮脂がたまりやすくなります。
皮脂が気になると、つい何度も洗いたくなります。しかし、洗いすぎや強い摩擦は肌への刺激になります。大切なのは、しっかり洗うことよりも、やさしく・続けやすく洗うことです。
② 紫外線が強まる
「まだ夏ではないから大丈夫」と思いがちですが、5月はすでに紫外線対策を始めたい時期です。紫外線を浴びると、肌が乾燥しやすくなったり、炎症が長引いたりすることがあります。ニキビがある肌でも、肌に合う日焼け止めや帽子を活用して、紫外線を避ける工夫をしましょう。
③ ストレスや睡眠不足が重なる
5月は、新生活や連休明けの疲れが出やすい時期です。睡眠不足やストレスが続くと、肌の調子も乱れやすくなります。ニキビ対策というと洗顔や薬を思い浮かべがちですが、睡眠・休養・食事のリズムを整えることも大切です。肌だけでなく、体全体を整える意識を持ちましょう。
今日からできるニキビ対策
ニキビ対策で大切なのは、「洗いすぎず、放置しないこと」です。皮脂が気になるからといって、強く洗う必要はありません。一方で、「そのうち治る」と放置すると、炎症やニキビ跡につながることがあります。
■ 洗顔は1日2回、こすらずに
朝と夜を目安に、洗顔料をよく泡立て、手でそっと洗い、ぬるま湯でしっかり流しましょう。
ゴシゴシこすること、スクラブで強く洗うこと、熱いお湯を使うこと、1日に何度も洗うことのような習慣は肌への刺激になることがあります。洗顔後につっぱる場合は、ニキビがあっても保湿を忘れずに。乾燥を放置しないようにしましょう。
■ 日焼け止めは、肌に合うものを選ぶ
ニキビがあると日焼け止めを塗るのをためらう方もいますが、紫外線が強くなるこの時期は対策が大切です。選ぶときは、「低刺激性」「ノンコメドジェニックテスト済み」「石けんで落としやすい」タイプを目安にするとよいでしょう。合わないと感じた場合は、無理に続けずご相談ください。
■ 食事は「犯人探し」より、まずバランス
「チョコレートを食べたからニキビができた」と感じる方もいるかもしれません。ただ、特定の食べ物だけを極端に避けるよりも、まずは食事全体のバランスを整えることが大切です。主食・主菜・副菜をそろえること、間食が続いている場合は少し見直すこと。まずは、そのくらいから始めてみましょう。
■ 触らない、つぶさない
ニキビが気になると、つい触ったりつぶしたりしたくなります。しかし、刺激を加えると炎症が長引き、跡が残ることがあります。髪の毛が顔に当たることも刺激になります。前髪・マスク・メイクなどが肌に触れる時間を、少し減らす工夫をしましょう。
受診の目安
次のような場合は、早めの受診をおすすめします。
- 赤いニキビが増えてきた
- 膿をもったニキビがある
- 痛みや腫れがある
- 同じ場所にくり返しできる
- ニキビ跡が気になり始めた
- 市販薬やスキンケアで改善しない
- 学校・仕事・外出がつらく感じる
ニキビは思春期だけのものではなく、大人の方にも起こります。また、見た目の問題にとどまらず、気持ちの落ち込みや外出への不安につながることもあります。
にしおかクリニックでは、上の図にあるような軽いニキビや肌荒れについても、生活習慣やスキンケアの見直しを含めてご相談いただけます。ただし、赤みや腫れが強い場合、膿をもったニキビが多い場合、治りにくい場合、ニキビ跡が気になる場合などは、皮膚科での専門的な治療が必要になることもあります。
「このくらいで受診していいのかな」と迷う段階でも、まずはお気軽にご相談ください。必要に応じて、専門的な診療へおつなぎすることも大切にしています。
おわりに
5月は、体だけでなく肌にも疲れが出やすい季節です。汗・皮脂・紫外線・睡眠不足・ストレスとさまざまな要因が重なり、ニキビが出やすくなることがあります。
まずは、次の3つを意識してみましょう。
- こすらず、やさしく洗う
- 紫外線を避ける
- 生活リズムを整える
そして、赤みや膿があるニキビ、くり返すニキビは、早めに見直すことで悪化やニキビ跡の予防につながります。
5月の肌荒れを「季節のせい」と片づけず、肌からのサインとして意識してみてください。
気になる症状がある方は、お気軽ににしおかクリニックへご相談ください。

