クリニックレター
2026.07.16
クリニックレターvol.148 大阪で手足口病が急増中 ― 大人もかかります―
皆さま、こんにちは。
大阪府内で、手足口病の患者さんが急増しています。
2026年6月29日から7月5日までの報告数は、1医療機関当たり「5.96」となり、警報レベルの基準である「5」を超えました。特に乳幼児を中心に感染が広がっています。
手足口病は子どもの病気と思われがちですが、大人が感染して発症することもあります。
お子さんやお孫さんの看病をする保護者・祖父母の方も注意が必要です。
目次
- 手足口病とは?
- 大人も手足口病にかかります
- ヘルパンギーナとの違いは?
- どのように感染するの?
- 治った後も手洗いを続けましょう
- 家庭内感染を防ぐポイント
- 口の痛みによる脱水に注意
- こんな症状があれば早めに受診を
- にしおかクリニックから皆さまへ
手足口病とは?
手足口病は、主にエンテロウイルスによって起こる感染症です。
潜伏期間は一般に3~5日程度で、次の場所に水疱を伴う発疹が現れます。
- 口の中や舌
- 手のひらや指
- 足の裏や足の甲
- 膝やお尻の周囲
発熱はみられないこともあり、多くは3~7日程度で自然に回復します。
大人も手足口病にかかります
大人では、発疹が出る前に、
- 発熱や悪寒
- 強いのどの痛み
- 頭痛
- 全身のだるさ
- 筋肉痛や関節痛
などが現れ、最初は夏風邪のように感じることがあります。
その後、手のひらや足の裏、口の中などに発疹や水疱が現れます。
特に足の裏の症状が強い場合は、「剣山の上を歩くよう」と表現されるほど痛み、歩くことが難しくなることもあります。
ただし、すべての大人に強い症状が現れるわけではありません。
家族に手足口病の方がいて、大人にも発熱や手足の発疹が出た場合は、受診時にそのことを医師へお伝えください。
ヘルパンギーナとの違いは?
手足口病と同じ夏に流行する感染症に、ヘルパンギーナがあります。
どちらも発熱や口の中の水疱が現れますが、大きな違いは発疹の場所です。
分かりやすく表すと、
手や足にも発疹が出るのが手足口病
高熱とのどの奥の水疱が中心なのがヘルパンギーナ
です。
ただし、発症初期には区別が難しい場合もあります。どちらもウイルス感染症のため、抗菌薬、いわゆる抗生物質は基本的に効果がありません。
どのように感染するの?
主な感染経路は、
- せきやくしゃみによる飛沫感染
- 唾液、鼻水、水疱、おもちゃなどを介した接触感染
- 便の中のウイルスが口に入る糞口感染
です。
特に、おむつ交換やトイレの介助をする保護者・祖父母は注意が必要です。
治った後も手洗いを続けましょう
症状が治まった後も、2~4週間程度は便の中にウイルスが排出されることがあります。
「発疹が治ったから、もううつらない」と考えず、回復後もトイレ後やおむつ交換後の手洗いを続けましょう。
家庭内感染を防ぐポイント
- 石けんと流水で丁寧に手を洗う
- タオルやコップ、食器を共用しない
- 使用済みのおむつは袋に入れて処分する
- おもちゃやドアノブなどを清潔にする
手足口病には有効な予防ワクチンや予防薬がないため、手洗いと排泄物の適切な処理が大切です。
口の痛みによる脱水に注意
口の中の水疱や潰瘍が痛むと、子どもが水分を嫌がることがあります。
一度にたくさん飲ませず、刺激の少ない飲み物を少量ずつ与えましょう。熱いものや酸味・塩味の強いものは、口の中にしみることがあります。
次のような場合は、早めに医療機関へご相談ください。
- 水分がほとんど取れない
- 尿の回数や量が少ない
- 口の中が乾いている
- 泣いても涙が出ない
- ぐったりしている
こんな症状があれば早めに受診を
手足口病の多くは自然に回復しますが、まれに髄膜炎や脳炎などを合併することがあります。
- 高熱や発熱が続く
- 嘔吐を繰り返す
- 強い頭痛がある
- ぐったりして反応が悪い
- けいれんがある
- 呼吸が苦しそう
- 手足に力が入りにくい
- 症状が急速に悪化している
意識がおかしい、けいれんが続く、呼吸が苦しい場合は、ためらわず救急車を要請してください。
にしおかクリニックから皆さまへ
手足口病は主に子どもの感染症ですが、家庭内で大人に感染することもあります。
特に大人では、発熱やのどの痛み、手足の強い痛みが現れる場合があります。
- 子どもだけの病気と思い込まない
- おむつ交換後は必ず手を洗う
- 回復後もしばらく手洗いを続ける
- 水分が取れないときは早めに受診する
ご家庭全体で感染対策を続け、この夏の感染拡大を防ぎましょう。

