クリニックレター
2026.08.03
クリニックレター Vol.151 熱中症だけではありません。― 猛暑が引き起こす「脱水」と「血栓」にご注意ください ―
今年の夏は「命に関わる暑さ」が続いています
今年は全国各地で40℃近い危険な暑さが続いています。
総務省消防庁によると、7月20日から26日の1週間だけで、熱中症による救急搬送者は18,591人と今年最多を記録しました。死亡者は45人、重症者は713人にのぼり、搬送された方の約6割(57.9%)は65歳以上の高齢者でした。
また、大阪府でも1,667人が救急搬送され、東京都に次いで全国で2番目に多い状況となっています。
この数字からも、今年の暑さが例年以上に危険であることが分かります。
しかし、本当に注意していただきたいのは**「熱中症」だけではありません。**
脱水で血液が濃くなると「血栓」ができやすくなります
私たちの体の約60%は水分でできています。
大量の汗をかき、水分補給が十分でない状態が続くと、血液中の水分が減り、血液は通常よりも粘り気が強くなります。
その結果、血液の流れが悪くなり、**血栓(血のかたまり)**ができやすくなることがあります。
血栓は
- 脳梗塞
- 心筋梗塞
- 深部静脈血栓症(エコノミークラス症候群)
などの重大な病気につながることがあります。
心臓や腎臓にも大きな負担がかかります
脱水になると、心臓は少ない血液を全身へ送るため、いつも以上に頑張って働かなければなりません。
そのため、
- 動悸
- 息切れ
- 血圧の変動
- 心房細動などの不整脈
が起こりやすくなることがあります。また、腎臓へ流れる血液量も減少するため、一時的に腎機能が低下することがあります。特に、
- 高血圧
- 糖尿病
- 心臓病
- 慢性腎臓病(CKD)
で治療中の方は、普段以上に脱水対策が重要です。
こんな症状があれば要注意
暑さによる体調不良と思っていても、重大な病気のサインであることがあります。
次のような症状がある場合は注意しましょう。
- 強いだるさ
- めまい・ふらつき
- 動悸・息切れ
- 胸の痛み
- 手足のしびれ
- ろれつが回らない
水分補給をしても改善しない場合や、胸の痛み・意識障害・ろれつが回らないなどの症状がある場合は、ためらわず救急要請や医療機関の受診を検討してください。
今日からできる脱水予防
熱中症予防は、「喉が渇いてから」では遅いことがあります。
次のポイントを意識しましょう。
- 喉が渇く前に、こまめに水分補給をする
- 起床時・外出前・入浴前後・就寝前にも水分をとる
- 汗をたくさんかいた時は、水分だけでなく塩分も補給する
- エアコンや扇風機を上手に使い、室温を適切に保つ
- 高齢者は喉の渇きを感じにくいため、ご家族からの声かけも大切です
院長からひとこと
熱中症は「暑さの病気」ではありません。
その背景には、全身に影響を及ぼす**「脱水」**があります。
脱水は、熱中症だけでなく、脳・心臓・腎臓にも大きな負担をかけることがあります。
「少し疲れただけ」「夏バテかな」と思っている症状が、重大な病気の始まりであることもあります。
今年の夏は例年以上の暑さが続いています。
ご自身だけでなく、ご家族や身近な高齢者の方にも、ぜひ水分補給を呼びかけてあげてください。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
にしおかクリニックからのワンポイント
「熱中症を防ぐこと」は、「脳梗塞・心筋梗塞・腎障害を防ぐこと」にもつながります。
暑さ対策とこまめな水分補給を心がけ、この夏を元気に乗り切りましょう。

