クリニックレター vol.155 その「肥満」、実は「肥満症」かもしれません

内科・循環器内科・糖尿病内科・在宅診療 にしおかクリニック

お知らせ・コラム

NEWS AND TOPICS

お知らせ・コラム

クリニックレター

2026.10.02

クリニックレター vol.155 その「肥満」、実は「肥満症」かもしれません

スクリーンショット 2026-10-02 22.07.59.png

「最近、体重が増えてきた」
「健康診断で血糖やコレステロールを指摘された」
「脂肪肝と言われた」
「食事や運動に気をつけても、なかなか体重が減らない」

そんな経験はありませんか?

実は、医学的には**「肥満」と「肥満症」は同じではありません。**

「肥満」は、体格の状態です

日本では、**BMI 25以上を「肥満」**と判定します。

BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)

たとえば、

身長160cm・体重70kg → BMI 27.3

となり、「肥満」に該当します。

ただし、ここが大切です。

BMIが25以上だからといって、すべての方が「肥満症」というわけではありません。

「肥満」は、体脂肪が過剰に蓄積している体の状態を表す言葉です。

スクリーンショット 2026-10-02 22.15.32.png

では、「肥満症」とは?

「肥満症」は、単に体重が多いという意味ではありません。

肥満があり、

肥満に関連する健康障害がある

または

内臓脂肪が蓄積し、健康障害を起こすリスクが高い

など、医学的に減量が必要と判断される状態を「肥満症」といいます。

つまり......

肥満
→ 体格・体脂肪の「状態」

肥満症
→ 健康のために医学的な減量が必要な「病気」

この違いを知っておくことが大切です。

スクリーンショット 2026-10-02 22.18.05.png

体重と一緒に、こんな変化はありませんか?

肥満に伴って、さまざまな健康上の問題が起こることがあります。

✓ 血糖値が高くなってきた
✓ 血圧が高い
✓ コレステロールや中性脂肪を指摘された
✓ 脂肪肝を指摘された
✓ 尿酸値が高い・痛風がある
✓ いびきがひどい、睡眠時無呼吸を指摘された
✓ 膝や腰への負担が増えてきた

大切なのは、体重計の数字だけを見ることではありません。

血圧、血糖、脂質、肝機能、内臓脂肪など、**「体重によって体の中にどのような変化が起きているか」**を一緒に考えることが重要です。

スクリーンショット 2026-10-02 22.20.00.png

「頑張っているのに痩せない」= 意思が弱い、ではありません

「食べなければ痩せる」
「もっと運動すればいい」

そう思われがちですが、体重管理はそれほど単純ではありません。

体重が減少すると、食欲やエネルギー消費などに関わる体の仕組みが変化し、減った体重を維持しにくくなることがあります。

そのため、何度も減量とリバウンドを繰り返す方もいます。

肥満症の治療では、単に「もっと頑張りましょう」とするのではなく、食事・運動・行動療法などを基本として、必要に応じて薬物療法なども組み合わせながら、医学的に体重と健康を管理していくという考え方があります。

「痩せたい」から、「健康のために体重を減らす」へ。

見た目のためだけではなく、

血圧を改善したい。
血糖や脂質を改善したい。
脂肪肝を改善したい。
動きやすい体でいたい。
将来の病気のリスクを減らしたい。

体重を減らす目的は、人それぞれです。

そして本当に大切なのは、

「何kgまで痩せるか」だけではなく、

「体重を減らすことで、健康をどう変えていくか」

ということではないでしょうか。

スクリーンショット 2026-10-02 22.22.32.png

にしおかクリニック「健康減量外来」

当院では、**健康のために体重を減らしたい方を医学的にサポートする「健康減量外来」**を行っています。

体重やBMIだけを見るのではなく、

血圧・血糖・脂質・肝機能・生活習慣・これまでの病気やお薬などを確認し、

「今、健康のために体重を減らす必要があるのか」

を一緒に考えます。

生活習慣の改善を基本として、その方の健康状態やご希望などを踏まえながら、必要な場合には薬物療法を含めた方法を検討します。

※薬物療法はすべての方が対象となるわけではありません。診察・検査を行い、適応や安全性を確認したうえで医師が判断します。

健康減量外来について知りたい方は、普段の診察の際にもお気軽にお尋ねください。

スクリーンショット 2026-10-02 22.23.39.png

10年後も、大切な人のそばに。

「最近、少し体重が増えた」

それは単なる見た目の変化ではなく、これからの健康について考えるきっかけかもしれません。

自分は「肥満」なのか。
それとも、健康のために減量を考えた方がよい「肥満症」なのか。

一度、ご自身の体重を**「見た目」ではなく「健康」の視点から**考えてみませんか?

体重を減らすことは、未来の健康を守る第一歩です。

一覧にもどる