クリニックレター
2026.10.02
クリニックレター vol.155 その「肥満」、実は「肥満症」かもしれません
「最近、体重が増えてきた」
「健康診断で血糖やコレステロールを指摘された」
「脂肪肝と言われた」
「食事や運動に気をつけても、なかなか体重が減らない」
そんな経験はありませんか?
実は、医学的には**「肥満」と「肥満症」は同じではありません。**
「肥満」は、体格の状態です
日本では、**BMI 25以上を「肥満」**と判定します。
BMI = 体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)
たとえば、
身長160cm・体重70kg → BMI 27.3
となり、「肥満」に該当します。
ただし、ここが大切です。
BMIが25以上だからといって、すべての方が「肥満症」というわけではありません。
「肥満」は、体脂肪が過剰に蓄積している体の状態を表す言葉です。
では、「肥満症」とは?
「肥満症」は、単に体重が多いという意味ではありません。
肥満があり、
肥満に関連する健康障害がある
または
内臓脂肪が蓄積し、健康障害を起こすリスクが高い
など、医学的に減量が必要と判断される状態を「肥満症」といいます。
つまり......
肥満
→ 体格・体脂肪の「状態」
肥満症
→ 健康のために医学的な減量が必要な「病気」
この違いを知っておくことが大切です。
体重と一緒に、こんな変化はありませんか?
肥満に伴って、さまざまな健康上の問題が起こることがあります。
✓ 血糖値が高くなってきた
✓ 血圧が高い
✓ コレステロールや中性脂肪を指摘された
✓ 脂肪肝を指摘された
✓ 尿酸値が高い・痛風がある
✓ いびきがひどい、睡眠時無呼吸を指摘された
✓ 膝や腰への負担が増えてきた
大切なのは、体重計の数字だけを見ることではありません。
血圧、血糖、脂質、肝機能、内臓脂肪など、**「体重によって体の中にどのような変化が起きているか」**を一緒に考えることが重要です。
「頑張っているのに痩せない」= 意思が弱い、ではありません
「食べなければ痩せる」
「もっと運動すればいい」
そう思われがちですが、体重管理はそれほど単純ではありません。
体重が減少すると、食欲やエネルギー消費などに関わる体の仕組みが変化し、減った体重を維持しにくくなることがあります。
そのため、何度も減量とリバウンドを繰り返す方もいます。
肥満症の治療では、単に「もっと頑張りましょう」とするのではなく、食事・運動・行動療法などを基本として、必要に応じて薬物療法なども組み合わせながら、医学的に体重と健康を管理していくという考え方があります。
「痩せたい」から、「健康のために体重を減らす」へ。
見た目のためだけではなく、
血圧を改善したい。
血糖や脂質を改善したい。
脂肪肝を改善したい。
動きやすい体でいたい。
将来の病気のリスクを減らしたい。
体重を減らす目的は、人それぞれです。
そして本当に大切なのは、
「何kgまで痩せるか」だけではなく、
「体重を減らすことで、健康をどう変えていくか」
ということではないでしょうか。
にしおかクリニック「健康減量外来」
当院では、**健康のために体重を減らしたい方を医学的にサポートする「健康減量外来」**を行っています。
体重やBMIだけを見るのではなく、
血圧・血糖・脂質・肝機能・生活習慣・これまでの病気やお薬などを確認し、
「今、健康のために体重を減らす必要があるのか」
を一緒に考えます。
生活習慣の改善を基本として、その方の健康状態やご希望などを踏まえながら、必要な場合には薬物療法を含めた方法を検討します。
※薬物療法はすべての方が対象となるわけではありません。診察・検査を行い、適応や安全性を確認したうえで医師が判断します。
健康減量外来について知りたい方は、普段の診察の際にもお気軽にお尋ねください。
10年後も、大切な人のそばに。
「最近、少し体重が増えた」
それは単なる見た目の変化ではなく、これからの健康について考えるきっかけかもしれません。
自分は「肥満」なのか。
それとも、健康のために減量を考えた方がよい「肥満症」なのか。
一度、ご自身の体重を**「見た目」ではなく「健康」の視点から**考えてみませんか?
体重を減らすことは、未来の健康を守る第一歩です。

